ー 診察室の外で、子どもたちを支えるために
当院では、診察室の中だけで完結する医療ではなく、
子どもたちが実際に生活している場に目を向けた支援を大切にしています。
2014年、県立塚口病院小児科にて不登校外来を担当したことが、
現在のアウトリーチ活動の原点です。
当時、起立性調節障害と診断され、不登校となっている子どもたちを多く診療する中で、
症状が日によって、また環境によって大きく変動することを実感しました。
同じ診断名でも、学校環境や人間関係、家庭での状況によって、
子どもたちの状態は大きく異なっていました。
この経験から、
診察室での評価や治療だけでは限界がある
環境そのものを調整しなければ、子どもは回復しにくい
と強く感じるようになりました。
そこで、学校や現場に直接出向き、
子どもたちを取り巻く環境を一緒に整えていくアウトリーチ活動を開始しました。
アウトリーチ活動を続ける中で、
もう一つ大きな課題が見えてきました。
それは、
診断が明確につかない「グレーゾーン」の発達特性をもつ子どもたちが非常に多い
という現実です。
学習面、対人関係、集団生活の中で困りごとを抱えていても、
「診断基準には当てはまらない」
「様子を見ましょう」
と言われ続けてきた子どもたちが少なくありませんでした。
本人も周囲も理由が分からないまま、
不安や自己否定を積み重ね、
結果として不登校や二次障害へとつながっていくケースを数多く見てきました。
はじめは学校訪問から始まったアウトリーチ活動は、
次第に教職員研修、保護者向け講演、巡回相談へと広がっていきました。
近年では、小学生・中学生を対象とした授業にも取り組んでいます。
子どもたち自身が
• 自分の特性を知ること
• 他者との違いを理解すること
• 「そのままの自分でいていい」と感じられること
これらは、不登校や二次障害を防ぐうえで非常に重要です。
医療・学校・家庭が同じ視点を共有することで、
子どもたちを取り巻く環境は大きく変わっていきます。
クリニック開院後も、
休診日をアウトリーチ活動の日として設定し、活動を継続してきました。
ありがたいことに、近年は学校・行政・関係機関からの依頼が増え、
今年度はほぼすべての日程が埋まる状況となっています。
診察室で出会う子どもたちと、
学校や地域で出会う子どもたちは、
決して別の存在ではありません。
同じ一人の子どもとして、連続した支援を行うこと
それが当院のアウトリーチ活動の基本姿勢です。
• 子どもを「問題」として扱わない
• 特性を否定せず、環境との関係で考える
• 医療の視点を押し付けない
• 現場の声を尊重する
一時的な対応ではなく、
子どもたちが将来にわたって生きやすくなるための支援を目指しています。
今後は、これまでの活動実績や予定を順次掲載していく予定です。
活動の様子や現場で感じたことについては、
ブログでも発信していきたいと考えています。
アウトリーチ活動を通じて、
子どもたちが「こころ元気に」成長していける地域づくりに、
これからも関わり続けていきます。
2022年度実績(巡回相談、職員研修など)
【宝塚市】
【尼崎市】
【猪名川町】
【伊丹市】
【西宮市】
【神戸市】
【明石市】
【丹波市】
【大阪府堺市】
※1は12:30~17:30となっております。 ※2 日曜日9:00~12:00で児童精神初診のみ受付。
★はアウトリーチ(発達相談業務、学校研修、地域講演会)